神の裁きと希望 | エレミヤ書 52章

RCJメディアミニストリー「ふくいんのなみ」のトップページへ戻る

エレミヤ書 52章

ヨヤキンは獄中の衣を脱ぎ、生きている間、毎日欠かさず王と食事を共にすることとなった。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 エレミヤ書 52章33節

神の裁きと希望

エレミヤ書の最後となる52章には、これまで彼が語ってきた預言が実現する様子が描かれています。エルサレムとユダは「主の目に悪とされることをことごとく行った」罪のゆえに、「ついにその御前から投げ捨てられることになった」(2、3節)。主の神殿も王宮も民の家屋もすべて焼き払われ、都の城壁も取り壊されました。主の神殿にあった金・銀・青銅の祭具は奪い去られ、生き残った民の大半は捕囚とされました。

神の裁きによるエルサレムの悲惨な有り様を述べた後で、最後に少し変わった記事が書かれています。ユダの王ヨヤキンの名誉回復の記事です。列王記によると、ヨヤキンが王位にあったのはわずか3か月でしたが、その治世は主の目に悪とされるものでした(下24章8、9節)。彼はバビロンで37年もの獄中生活を送りましたが、その後、代替わりしたバビロン王により解放され、手厚い保護を受けたというのです。神の裁きの預言は実現しました。同じように、神の民の解放の預言も実現する、そのことを思い起こさせる記事ではないでしょうか。

久保 浩文(松山教会)