真に頼るべきお方 | 詩編 59編

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詩編 59編

御覧ください、主よ

罪もなく過ちもなく
悪事をはたらいたこともないわたしを
打ち破ろうとして身構えています。
目覚めてわたしに向かい、御覧ください。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 詩編 59編4節~5節

真に頼るべきお方

この詩人は、神に切々と訴えています。自分は、罪もなく悪事を働いたこともないのに、力ある者がわたしの命を狙って待ち伏せ、争いを仕掛けて来る、と。「御覧ください、主よ…目覚めてわたしに向かい、御覧ください」。こう神に願う言葉からは、人びとから差し向けられる剣のように鋭く、嘲笑う攻撃的な言葉でひどく傷ついている詩人の深い孤独感が伝わります。人びととの絆に生きる者にとって、つらく苦しかったであろうと思います。

しかし、孤独になればなるほど、人間は神に近づくことができるのです。私たち人間は、自分の力や人など、この世のものに頼れる間は、なかなか神に頼ろうとしません。主イエスが、「金持ちが神の国に入るよりも、らくだが針の穴を通る方がまだ易しい」と言われたのはこのことです。

この詩人は、皆から理由もなく責められ、どこにも助けがなくなったとき、主なる神に「目覚めてわたしに向かい、御覧ください」と訴えることができました。孤独を恐れて、この世のものに頼るのではなく、神に向かい、神が共にいましたもう、主にある大きな喜びを深く知りましょう。

田中 茂樹