まことの小羊 | ヨハネによる福音書 19章

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ヨハネによる福音書 19章

そこで、兵士たちが来て、イエスと一緒に十字架につけられた最初の男と、もう1人の男との足を折った。イエスのところに来てみると、既に死んでおられたので、その足は折らなかった。しかし、兵士の1人が槍でイエスのわき腹を刺した。すると、すぐ血と水とが流れ出た。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 ヨハネによる福音書 19章32節~34節

まことの小羊

十字架にかかった犯罪人が死ぬには長い苦しみのときが必要でした。でも、翌日は過越を祝う特別の安息日。ユダヤ人たちは、早急に十字架上の人びとが死んで、遺体が十字架から降ろされることを願いました。そこで、当時死期を早めるために用いられた手段が、足を折るという残虐な手段です。大きな槌のようなもので激痛を与えて足を折る。ショックで死ぬ。あるいは、十字架にかけられた体を支える足が折られると、体の重みが一気に上半身にかかり、死期が早まったようです。

ユダヤ人たちは2人の犯罪人の足を折りました。しかし、主イエスは既に死んでおられたので、足を折る必要がありませんでした。福音書記者ヨハネは、過越の小羊と主イエスとを結び合わせています。「1匹の羊は1軒の家で食べ、肉の一部でも家から持ち出してはならない。また、その骨を折ってはならない」(出12章46節)。

そのとおり、主イエスの足の骨は折られることがありませんでした。この方こそが「世の罪を取り除く神の小羊」であられることを、ヨハネは私たちに伝えたいのです。

芦田 高之(新浦安教会)