残された命と神からの使命 | 出エジプト記 7-8章

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出エジプト記 7-8章

ファラオに語ったとき、モーセは80歳、アロンは83歳であった。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 出エジプト記 7章7節

残された命と神からの使命

安政5年11月、西郷隆盛は、かねてから親交のあった尊王攘夷派の僧侶月照と共に鹿児島の錦江湾で入水自殺を遂げようとしました。安政の大獄によりその命を狙われていた友人月照の命を助けるために、西郷の故郷であった薩摩まで逃れて来た二人でしたが、薩摩藩は幕府を恐れて月照を保護することを拒否してしまいます。そこで西郷は月照と共に自分の命を絶つことを決心し、二人は海に身を沈めました。ところが亡くなったのは月照だけで、西郷は奇跡的に命を取り留めます。自分だけ生き残った西郷は、「どうして自分だけが生き延びてしまったのか」と苦悶します。やがてその苦しい体験から、西郷は「自分が生き延びたのは、自分が世で果たすべき使命が残されているからだ。自分の使命が終わるとき、自分の天命は全うされる」と考えるようになったと言います。

私たちがこの世に生かされているのは無意味なことではありません。モーセたちも高齢になってから使命を与えられました。神から与えられる使命が残されているからこそ、私たちはきょうも生かされているのです。

櫻井 良一(東川口教会)