20170916 | ヤコブの手紙 5章

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ヤコブの手紙 5章

わたしの兄弟たち、何よりもまず、誓いを立ててはなりません。天や地を指して、あるいは、そのほかどんな誓い方によってであろうと。裁きを受けないようにするために、あなたがたは「然り」は「然り」とし、「否」は「否」としなさい。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 ヤコブの手紙 5:12

20170916

神の前でなされる合法的な誓いはもちろんあります。その事実を踏まえた上でなお、聖書は誓いを立てることへの慎重な姿勢、厳しい調子を崩しません。「正当な誓い」「合法的な(御言葉に適う)誓い」を適正に保持するために、偽りの誓い、とりわけ「聖人」など被造物を指して誓うような迷信をきっぱり排除しているのです。

ヤコブの言葉は、主イエスの戒めを明白に受け継いで語っています。「然り」と「否」を自由にあやつることができるかのような思い込みと傲慢は、結果的に神を偽り者とする重大な罪の温床です。誓いはしばしば、自分が正しいという不遜な信念と一体です。誓うことによって、神の意志や行動に人間が介入し、思いのまま神を動かそうとする誘惑に陥るのです。自分の考えや期待のために、「摂理」の御手を気ままに動かすことができる。そのような理解は聖書の信仰とは異質です。

身勝手な誓いを離れ、祈りと賛美への道を歩むようヤコブは勧めます(13節)。考えてみれば、正当な誓いは必ず神への祈りと賛美を含むでしょう。従順と信頼を包み込む誓いだけが、合法的です。

小野 静雄(瑞浪伝道所・春日井教会)