5月4日(水) ヨブ記 25章 音声を再生できませんでした どうして、人が神の前に正しくありえよう。どうして、女から生まれた者が清くありえよう。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 ヨブ記 25章4節 愛のない正義の危うさ 悪人が栄える事実を語って神の正義を問うヨブに対して、ビルダドは否定することも説明することもできません。 ビルダドはその問題に触れることをせず、神の偉大さによってヨブに答えようします。「恐るべき支配の力を神は御もとにそなえ、天の最も高いところに平和を打ち立てられる」。神の支配は人の想いをはるかに超える。お前はそれを理解していない、と言いたいようです。 「わたしの足はその方に従って歩み、その道を守って、離れたことはない」と語るヨブ(23章11節)。それに対してビルダドは、「どうして、人が神の前に正しくありえよう。どうして、女から生まれた者が清くありえよう」、「まして人間は蛆虫、人の子は虫けらにすぎない」と言って、ヨブの無罪の確信を徹底的に打ち崩そうとします。 ビルダドの言葉は間違ってはいません。むしろ正論です。しかし、このように正論を振りかざすことは、必死に自己弁護をするヨブを追いつめて、神との関係を壊してしまう危うさをもっています。愛のない正義ほど危ういものはありません。 西田 三郎
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悪人が栄える事実を語って神の正義を問うヨブに対して、ビルダドは否定することも説明することもできません。
ビルダドはその問題に触れることをせず、神の偉大さによってヨブに答えようします。「恐るべき支配の力を神は御もとにそなえ、天の最も高いところに平和を打ち立てられる」。神の支配は人の想いをはるかに超える。お前はそれを理解していない、と言いたいようです。
「わたしの足はその方に従って歩み、その道を守って、離れたことはない」と語るヨブ(23章11節)。それに対してビルダドは、「どうして、人が神の前に正しくありえよう。どうして、女から生まれた者が清くありえよう」、「まして人間は蛆虫、人の子は虫けらにすぎない」と言って、ヨブの無罪の確信を徹底的に打ち崩そうとします。
ビルダドの言葉は間違ってはいません。むしろ正論です。しかし、このように正論を振りかざすことは、必死に自己弁護をするヨブを追いつめて、神との関係を壊してしまう危うさをもっています。愛のない正義ほど危ういものはありません。