4月11日(金) マルコ10章
「子供たちをわたしのところに来させなさい。妨げてはならない。神の国はこのような者たちのものである。」
日本聖書協会『聖書 新共同訳』 マルコによる福音書10章14節
主イエスが子供たちを招く光景はほほえましく映りますが、これは決して当たり前の光景ではありません。主イエスはご自分の受難と復活を、すでに二度予告しており、このあとも予告をくりかえされます。今は、ご自分の死のことで胸が詰まってもおかしくないときです。そのようなときに、主イエスはご自分のことではなく、ご自分のもとに子供たちを招くことを大事にされたのです。
「子供」とは、単に年齢の小さな者や、純粋な性格、聞き分けの良さといったことを指すのではありません。もし、主イエスが言われる「子供」を純粋で聞き分けの良い者のように考えてしまうと、自分がどれほどかけ離れた存在かと落胆してしまいます。むしろ「子供」とは、ここで子供たちが主のもとへ行くことを妨げられたように、力なく倒れ伏した者を指します。神の国とは、主イエスに従うがゆえにこの世で苦しみを受ける者たちのために、用意されているのです。
ご自分の死が差し迫っていながらも、主イエスのまなざしは、ご自分のことより、主イエスに従う者へと注がれます。ご自分の残された時間を、「子供」のために用いられたのです。そのまなざしの中で、抱き上げられ、祝福されるとは、なんと幸いなことでしょう。
【祈り】
主イエスに従う者を、抱き上げ、祝福し、神の国へ招いてくださり感謝します。