12年の絶望から希望へ | マタイによる福音書 9章

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マタイによる福音書 9章

イエスは振り向いて、彼女を見ながら言われた。「娘よ、元気になりなさい。あなたの信仰があなたを救った。」そのとき、彼女は治った。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 マタイによる福音書 9章22節

12年の絶望から希望へ

9章18~26節には二つの物語が組み込まれています。一つは指導者の娘が生き返る物語で、もう一つは12年間も出血の病が続いている女性の癒しの物語です。

二つの物語の共通点は、12年という年月です。並行箇所に、指導者の娘は「12歳になっていた」と記されています(マコ5章42節)。つまり、一方では、一人の子どもが生まれて12歳になるという重みの中で、その死を悲しむ親の姿が描かれ、もう一方では、同じ12年という長い年月の間、病気に苦しんできた女性の姿が描かれています。主イエスはそのような絶望の淵に立たされた人びとに出会われ、それぞれに救いを与えられたのです。

二つの物語の共通点はまた、イエス・キリストへの信仰です。指導者も、病気の女性も、キリストの御力を信じ、キリストにのみ依りすがり、恵みをいただきました。

私たちが、指導者のように主のもとに行き、主にのみひれ伏し、「助けてください」と救いを求めるならば、また、女性のようにキリストにのみ依りすがり、一歩踏み出して、キリストに触れるならば、私たちの主は恵みをもって、救いの御手を差し伸べてくださるのです。

「元気になりなさい。あなたの信仰があなたを救った」。

【祈り】

神さま、私たちを憐れんでください。絶望を希望に変えてください。

佐野 直史(銚子栄光教会)