12月29日(月) サムエル上29章
アキシュはダビデに答えた。「わたしには分かっている。お前は神の御使いのように良い人間だ。しかし…」
日本聖書協会『聖書 新共同訳』サムエル記上29章9節
サウルの追跡から逃れて、ペリシテ軍に身を寄せたダビデの後日談が記されています。ガトの領主アキシュに取り入って、うまく立ち回っていたダビデでしたが、他の武将たちは彼の裏切りを警戒します。そこでアキシュはダビデを呼んで、自分はお前を信頼しているが、今は平和に帰ってほしいと告げます。ダビデはどこまでもアキシュに忠誠を尽くす姿勢を見せて、わが主君のために戦えないことがくやしいと憤慨して見せます(8節)。
アキシュはそのようなダビデをなだめるために、「お前は神の御使いのように良い人間だ」とさえ褒めます。短い間にそれほどの信頼を得る、ダビデという人物の純真さを改めて思わされます。しかしダビデは、純真でまっすぐであると同時に、狡猾でしたたかです。実際には裏切りを企てていたのかもしれません。なぜなら、彼がサウル軍と戦うことを望んだはずがないからです。
そういう意味では、ペリシテから追い返されたことは、ダビデを苦悩から解き放つ救いの訪れでもありました。このままでは、契約を結んだ親友ヨナタンとの戦いも不可避でした。しかし神は、そのような苦悩を彼に負わせず、憐れみの道を開いてくださったのです。
【祈り】
私たちの思惑も苦悩もすべてご存じの主よ。偉大なあなたのご計画がきょうも進められますように。









