リジョイス聖書日課

マタイ2章13-23節 悲しみの中に希望の光が輝いている

放送日
2025年12月28日(日)
お話し
堂所大嗣(恵那教会牧師)

12月28日(日) マタイ2章13-23節

さて、ヘロデは占星術の学者たちにだまされたと知って…ベツレヘムとその周辺一帯にいた二歳以下の男の子を、一人残らず殺させた。
日本聖書協会『聖書 新共同訳』マタイによる福音書2章16節

 先週は、それぞれの教会の礼拝でクリスマスが祝われたことでしょう。御子の誕生はキリスト者にとって大きな喜びです。しかし、その喜びの出来事に続いて語られるのは、突然の暴力によって愛する我が子を奪われた人びとの嘆きと涙です。御子の誕生がクリスマスの光の部分であるとすれば、きょうの「ヘロデによる幼児の虐殺」という悲劇は闇の部分です。

 しかし、このとき、主の不思議な導きによって、ヨセフ一家はヘロデの手から救い出され、ナザレという小さな村に逃れました。そして、そこで成長した幼子が、やがて人びとの涙を拭う慰め主となられたのです。クリスマスは、我が子を失うような絶望の中を生きる人びとのもとに、この真の希望の光が指しこんだ出来事です。神は、幼子とその家族をこの世のすべての敵からお守りになったように、最後には必ず、私たちの涙を拭い、嘆きを喜びへと変えてくださるのです。

 今も、人間の罪による悲劇は繰り返されています。そして、深い悲しみと絶望を抱えて生きている人びとがいます。しかし、蝋燭の灯りの美しさが暗闇の中でこそ分かるように、すべての希望を失ったと思えるときに、私たちはそこにキリストという真の希望を見出すのです。

 【祈り】

 主よ、暗闇の中を生きなければならない人びとに真の希望の光を見上げさせてください。