8月10日(日) ルカ12章22-34節
「今日は野にあって、明日は炉に投げ込まれる草でさえ、神はこのように装ってくださる。まして、あなたがたにはなおさらのことである。…」
日本聖書協会『聖書 新共同訳』ルカによる福音書12章28節
この世界には、空き地や道ばたに生えている草花のように、誰の目にも留まらず失われていく命がたくさんあります。私たち自身、社会の理不尽な仕組みに苦しみ、痛みや無力さを感じながら生きているのです。ところが、その私たちも自分のことで精一杯で、世界の片隅で苦しみながら生きている人に目を注ぐことがなかなかできません。日々の心配事や不安がそうさせてくれないのです。
そんな私たちに主イエスは、明日は燃やされてしまうかもしれない野の草に目を向けてみなさいと、促されます。短くはかない命であっても、ほめられることも感謝されることもなく、虚しさを感じる日々であっても、神は決して私たちをお忘れにならず、きょうも養っていてくださることがはっきりと分かるからです。深い関心と愛をきょうも変わらず私たちに注いでくださるお方がいることを知るとき、私たちの信仰は強められ、私たちはさまざまな思い悩みや不安から自由にされていきます。
その上で、普段あまり気に留めることのない小さな草花に目を向けてみてはいかがでしょうか。そこに神の変わらない愛を見出すだけではありません。そのことが、身近な弱い立場にある人に目を向けるきっかけとなりますように。
【祈り】
信仰が強められ、神が目を留めてくださるように、私たちも隣人に向き合うことができますように。