今井献(仙台カナン教会牧師)
メッセージ:わたしの平和を与える
おはようございます。仙台カナン教会の今井献です。
十字架を前にしたイエスは、ヨハネ福音書14章27節で、「わたしは、平和をあなたがたに残し、わたしの平和を与える。」と語りました。この「平和」とは、何のことでしょうか。戦争や紛争がなく、国どうしが友好的で、世界中の人が仲良く暮らす、という意味の平和であるとしたら、イエスの十字架と復活の後も、世界から戦争がなくなった、ということはありません。
キリスト教が広く受け入れられ、キリスト教社会があらわれたとされるヨーロッパ中世の社会であっても、戦争や紛争が絶えませんでした。では、イエスの約束は嘘だったのでしょうか。イエスは、「わたしはこれを、世が与えるように与えるのではない。」(ヨハネ14:27)と続けました。イエスだけが与える、特別な「平和」があるのです。
第一次世界大戦中、フランス軍とドイツ軍が、塹壕とよばれる穴を掘って、互いに撃ち合っていたとき、クリスマスの夜が訪れました。すると両軍が、フランス語とドイツ語でクリスマス・ソングを歌い合ったのだそうです。次の朝には、また撃ち合ったのですが。
殺し合う敵意に満ちていても、キリストとその救いを喜び、賛美によるエールの交換ができたのです。戦争はおろかですが、キリストの救いにおいては、敵味方の区別がありません。敵意を超えた、キリストの平和です。
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