櫻井良一(東川口教会牧師)
メッセージ:自分を迫害する者のために祈る
ごきげんいかがですか。東川口教会の櫻井良一です。
高校生のとき、私は、マルクスやレーニンの本を読み、共産主義にあこがれていました。ですから私は、「宗教はアヘンだ」と言う彼らの教えに影響されて、「宗教は人間をダメにするものだ」と考えていたのです。
当時、私の高校の教室の中に、食事の時間になると、必ず手を組んで目をつぶり、祈っているクラスメイトがいました。彼は、子どものときから教会に通うクリスチャンだったようです。私は、彼に向って、「そんなことをするのは、世界や自分の人生を変えることを諦めた弱い人間がすることだ。」と徹底的に批判したのです。
ところが彼は、私の言葉に一言も反論することなく、黙って祈り続けているのです。今思えば、その当時の私は、彼の信仰を徹底的に迫害していたのです。
ところが、それから数年たった後、私は人生に挫折して、不思議な導きによって教会に通い始めることになりました。そして洗礼を受けて、クリスチャンになったのです。私は、その後に神学校にまで進んで、キリスト教会の牧師になりました。
高校時代に私がいじめたクラスメイトには、そのとき以来、40年以上も会っていません。しかし、私が今のように神様を信じる人生を歩むことになったのは、あの時の彼の祈りによるものだったと思えてならないのです。
聖書の言葉「しかし、わたしは言っておく。敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい。」マタイによる福音書5章44節です。