小宮山裕一(綱島教会牧師)
メッセージ:悲しみから生まれるもの
おはようございます。今日も一日、あなたの上に平和がありますように。
小宮山裕一です。
今週は、聖書の「ルツ記」という書物から、私たちがどのように悲しみを乗り越えるのかを御一緒に考えたいと思います。
ナオミとルツは、それぞれ夫を亡くし、慣れ親しんだ土地からナオミの故郷に帰ります。貧しい生活が待っていましたが、ナオミの夫の親戚であるボアズが、この二人を気に掛けます。そして、ルツとボアズは、結婚することになるのです。この二人の子孫こそ、有名な「ダビデ」という王様です。
ルツとボアズの結婚は、単なる結婚の出来事に留まらず、失われた家族への哀悼や深い悲嘆の中から、新たな命と希望が生まれる再生の象徴だと思います。
ナオミとルツは、過酷な悲しみと絶望の中にあっても、神の導きと周りの人々の支援を信じ、前に進む決意を固めます。その結果、ボアズとの結びつきにより、夫と息子を失ったナオミは、家族が再び与えられ、かつて失われた愛や記憶が、新たな形で受け継がれることとなりました。
ここに示されるのは、いかに深い悲嘆に沈んでいたとしても、神は様々な助けや支えを用意してくださる、ということです。傷は残るかもしれません。しかし、悲嘆は決して永遠に続くものではなく、苦しみを抱えた心が、再び歩み出すための大切なプロセスだといえるでしょう。
私たちは、このルツ記という物語から、絶望の中にも新たな命と希望の芽が確かに存在することを学び、互いに励まし合いながら、神を信じつつ歩む幸いを知るのです。