小宮山裕一(綱島教会牧師)
メッセージ:支え合う人々
おはようございます。今日も一日、あなたの上に平和がありますように。
小宮山裕一です。
今週は、聖書の「ルツ記」という書物から、私たちがどのように悲しみを乗り越えるのかを御一緒に考えたいと思います。
ナオミとルツは、それぞれ夫を亡くし、慣れ親しんだ土地からナオミの故郷に帰ります。二人とも夫がいないので、生活は苦しいものでした。そんな中、なんとかして食べ物を得ようと、畑に行って、落ち穂拾いをすることになりました。親戚のボアズの畑です。
ナオミの夫エリメレクの親戚であるボアズは、ナオミとルツに対して、温かく深い支援を惜しみませんでした。ルツ記2章において、ボアズは、自らの畑で働く者たちに、ルツの存在を伝え、彼女が安心して働けるよう、細やかな配慮を示したことがわかります。
彼は、ルツに対し、単なる労働の場を提供するのみならず、信仰に基づく励ましの言葉を惜しまずかけ、神の祝福を信じる心も育みます。さらにボアズが、「どうか、主があなたの行いに豊かに報いてくださるように。」(ルツ2:12)と祈る姿が描かれています。
この言葉は、悲嘆に暮れるナオミとルツに対する周りの人々、つまり、共同体の深い連帯感を象徴しています。ボアズのような温かな支援は、個々の悲しみが孤立したものではなく、互いの助け合いの中で、癒しと再生へと導かれることを教えているといえるでしょう。
こうした共同体の励ましこそ、絶望の中にあっても希望を見出し、未来へ歩み出す勇気を育む大切な力なのです。