山中恵一(東京恩寵教会協力牧師)
メッセージ:敵討禁止令
おはようございます。東京恩寵教会の山中です。
今日2月7日は、152年前、明治政府によって「敵討ちの禁止」が法令化された日です。「復讐禁止令」とも呼ばれます。猿蟹合戦や忠臣蔵など、日本では、敵討ちが美談とされてきました。それが明治維新後の法整備のなかで、復讐の連鎖を生む敵討ちの風習は、国家の繁栄にならないと、この法令が定められたそうです。
敵討ちとは少し違いますが、聖書も復讐を禁じています。「だれに対しても悪に悪を返さず、すべての人の前で善を行うように心がけなさい。できれば、せめてあなたがたは、すべての人と平和に暮らしなさい。」(ローマ12:17-18)
国家全体のために我慢しなさい、というのではありません。聖書が復讐を禁じるのは、復讐は、その人から安らぎや幸福を奪ってしまうからです。私たちに命を与えてくださった神様は、私たちが平和を失って生きることを心底悲しまれる御方です。
善人ばかりの世の中ではありません。悪意によって傷を受けることがあります。誰かへの恨み辛みで、心が埋め尽くされてしまうこともあることです。そんな時、聖書から、神様は語りかけてくださいます。「あなたの怒りも無念も、私はよく知っている。その人の処遇は、私に任せなさい。心締め付ける思いから、解き放たれて欲しい。あなたには、穏やかで安らかな生活を送って欲しいのだ。」
もしもあなたに、赦せない過去の仕打ちや、許せない誰かへの暗い心があるなら、朝のこの時、その思いを神様にお任せしてみてください。そこから始まるあなたの一日に、神様が平和を与えてくださるからです。
聖書の言葉を心に収めて、この日曜日をお過ごしください。