山下正雄(ラジオ牧師)
メッセージ: 一粒の麦
おはようございます。ラジオ牧師の山下正雄です。
ヨハネによる福音書の中に、ギリシア人たちがキリストのもとを訪ねてやってきた話が記されています。ちょうど過越の祭りの頃で、ユダヤ教に改宗したギリシア人だったのかもしれません。
キリストとの面会を取り次ごうとした弟子たちに、キリストはこんなことをおっしゃいました。「人の子が栄光を受ける時が来た。はっきり言っておく。一粒の麦は、地に落ちて死ななければ、一粒のままである。だが、死ねば、多くの実を結ぶ。」
その時の弟子たちにとっては謎に満ちた言葉ですが、事が起こった時にその意味ははっきりしたはずです。この言葉は、キリストご自身に起ころうとしていた十字架の死の意味を語っています。キリストの十字架の死は、決して恥と憎悪の死ではなく、キリストの栄光と結びついているということ。そして、何よりも、その死によって多くの実が結ばれるということです。
それはちょうど麦の種が地に埋められて豊かな実を結ぶのと同じように、キリストが死んで葬られることを通して、死からの復活が起こり、信じる者には永遠の命の実りが分け与えられるということです。命に無関心な人はいないはずです。キリストのもとにこそ豊かな命が約束されています。
きょうのみ言葉…「一粒の麦は、地に落ちて死ななければ、一粒のままである。だが、死ねば、多くの実を結ぶ。」ヨハネによる福音書12章24節