山下正雄(ラジオ牧師)
メッセージ: ロバの子に乗った王様
おはようございます。ラジオ牧師の山下正雄です。
きょうの日曜日は、教会の暦では「棕櫚(しゅろ)の日曜日」と呼ばれています。ユダヤ人のお祭りである過越祭のとき、エルサレムに入城するイエス・キリストを、民衆が棕櫚の枝を手に出迎えたことに由来しています(ヨハネ12:13参照)。
熱狂した民衆は、まるで勝利者を迎えるかのように、イエス・キリストを歓呼の声をあげて迎え入れます。けれどもエルサレムに入られるキリストは、あらかじめ弟子たちに命じて、わざわざロバの子を用意させその背中に乗って入城されます。戦いに打ち勝った勇ましい王のイメージからは、あまりにもかけ離れています。
このキリストの姿は、実は旧約聖書ゼカリヤ書に記されているメシアの姿そのものです。その預言の言葉によれば、やってくる王は平和の王として、戦車も軍馬も弓も断ち切る王です。しかも軍馬ではなく、ロバに乗ってやってくる高ぶることのない柔和な姿で描かれています。
この数日あと、キリストは捕らえられ、十字架におかかりになります。死に至るまでご自分を捧げ通してくださったイエス・キリストの姿を、ぜひ聖書を通して学んでみてください。「なぜ、キリストが?」という疑問があなたの心の中に湧き上がることを願います。
きょうのみ言葉…「(キリストは、)へりくだって、死に至るまで、それも十字架の死に至るまで従順でした。」フィリピの信徒への手紙2章8節