あさのことば

飼い主のいない羊に

放送日
2021年1月29日(金)
お話し
尾崎純(光が丘キリスト教会牧師)

尾崎純(光が丘キリスト教会牧師)

メッセージ: 飼い主のいない羊に

 いかがお過ごしでしょうか。東京練馬の光が丘キリスト教会で牧師をしております、尾崎純と申します。

 マタイによる福音書の10章16節で、イエス様は弟子たちに言いました。「わたしはあなたがたを遣わす。それは、狼の群れに羊を送り込むようなものだ。」この言葉は不思議です。イエス様が弟子たちを遣わすのは、9章36節で、人々が「飼い主のいない羊」のように弱っているのをご覧になったからでした。それなのにこの時には、人々は狼であり、羊はむしろ弟子たちの方だと言うのです。

 イエス様の目には、人間は羊です。羊が単独で生きていけないように、人も一人では生きていけません。羊飼いに当たる存在が必要です。しかし、世の人はそれを認めず、自分の力で生きていこうとします。たとえ弱っていても、弱っていることを認めません。そのように、世の人は、自分が羊であることを忘れているというのがイエス様の見立てです。イエス様は、人とは「狼の皮をかぶった羊」だと見ておられるのです。

 しかし、羊が狼の皮をかぶっても、何か良いことがあるでしょうか。狼が羊の皮をかぶったら、相手をだますことができますが、羊が狼の皮をかぶっても、何も良いことはないでしょう。それでもイエス様は弟子たちを遣わすのです。神を求めていない人のところに、人を派遣するのです。相手が求めないから、ということであきらめないのです。求めていない人のところにも人を送るのです。その、送られる人は私たちかもしれません。

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