あさのことば

私は自由、と思っていた 4.奴隷的意志

放送日
2016年2月24日(水)
お話し
野島邦夫(国立聖書教会牧師)

野島邦夫(国立聖書教会牧師)

メッセージ: 私は自由、と思っていた 4.奴隷的意志

 いかがお過ごしでしょうか、国立聖書教会の野島邦夫です。
 私たちは今、「自由な時代」に生きており、大抵のことは自分の思い通りにできると思っていますが、心、とくに善悪についての思いは果たしてそうでしょうか。どうも悪の方向に、生まれながら傾いているように見えます。

 しかし、このことは少し注意して考えなくてはなりません。善悪、つまり人としてすべきこと、してはならないことについて、知識として何も知らないということではないでしょう。誰にも良心がありますから。誰でも自分の命を懸けて他人を助けた人を褒めますが、人殺しをした人は褒めませんから。
 問題は、知識ではなく決意です。何となくであれ、善悪について知ってはいても、良いことをすべきだとは分かっていても、行う決意ができない、ということです。

 この深刻な状況を、使徒パウロは的確にこう表現します。
 わたしは自分の望む善は行わず、望まない悪を行っている。もし、わたしが望まないことをしているとすれば、それをしているのは、もはやわたしではなく、わたしの中に住んでいる罪なのです。(ローマ7:19-20)

 これは自分が善をおこなわないことを誰かに責任転嫁しているのではなく、パウロは、自分の心が、特に意志に関して徹底的に悪の方向に傾き囚われている、と言いたいのです。この状態を教会は伝統的に「奴隷的意志」と呼びます。これを解放するのがキリスト教の救いです。

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