このわたしが「わが父」と呼べる幸い | マタイによる福音書 27章

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マタイによる福音書 27章

イエスは大声で叫ばれた。「エリ、エリ、レマ、サバクタニ。」これは、「わが神、わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか」という意味である。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 マタイによる福音書 27章46節

このわたしが「わが父」と呼べる幸い

主イエスは「わが神、わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか」と叫び、呪われ、見捨てられる苦しみの中で死んでくださいました。

神の御子であるイエスは、神を「わが父」と親しく呼ぶことのできるお方です。その主イエスが、「わが神」と父なる神を呼ぶのは、この場面だけです。すなわち、神を「わが父」と親しく呼べるお方が、神を「わが父」などと決して呼べない私たちと同じものとなってくださいました。

「わが神、わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか」と叫ぶ御子イエスの姿は、どんなに「わが神、わが神、わたしを見捨てないでください」と叫ぼうとも、神に呪われ、滅んでいくしかなかった私たちの姿です。主イエスは、その私たちの罪をすべて負い、神に呪われ、自らの命を神の御前に差し出し、神の望むことをすべて成し遂げてくださいました(イザ53章10、11節)。

私たちは、この主イエスの十字架の贖いのゆえに神の御前に正しい者とされました。もう決して神に呪われることのない者、罪赦されて主イエスのように「父よ」と神を呼べる神の子とされました。「父よ」と呼びかける祈りが、すべて聞きあげられる者とされました。

【祈り】

父なる神よ、あなたを「父よ」と親しく呼べる、主イエスの命によって与えられた恵みを深く心に刻み、あなたを呼び続ける者としてください。

山口 弘(名古屋教会)