偽りによって砕かれた神の言葉 | 出エジプト記 32章

RCJメディアミニストリー「ふくいんのなみ」のトップページへ戻る

出エジプト記 32章

モーセは激しく怒って、手に持っていた板を投げつけ、山のふもとで砕いた。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 出エジプト記 32章19節

偽りによって砕かれた神の言葉

「モーセが山からなかなか下りて来ない…どうなってしまったのか分からない」(1節)という不安の中で、民は目に見える像を欲しがりました。先が見えない不安の中で、目に見えるものにすがりたいと思うこと。そこに偶像の起源があります。それが自分たちを「エジプトの国から導き上った」本当の神とすり替えられてしまいます。先が見えない不安の中で、目に見えるしるしによって安心したいと思う誘惑を警戒しましょう。

その誘惑に取り込まれてしまったとき、アロンの「雄弁」(4章)は「嘘」と化してしまいました。民に供出させた金の耳輪について、アロンは「わたしがそれを火に投げ入れると、この若い雄牛ができたのです」と嘘をつきました(24節)。しかし聖書は、アロン自身が「のみで型を作り、若い雄牛の鋳像を造った」という事実をはっきりと見据えています(4節)。

主の御名を呼ぶ心の中に、安心できる目に見えるしるしを欲しがる思いが忍び込むとき、私たちの心にもすり替えが起こり、偽りが生まれます。それは御言葉が砕かれてしまうことに直結します。不安なとき私たちの心が鋳造してしまいがちな、身近な子牛像に注意しましょう。

【祈り】

先が見えない不安の中にあるときも、目に見えるしるしを欲しがることなく、御言葉そのものに信頼することができますように。

赤石 純也(伊丹教会)