出エジプト記 15章22節-18章
荒れ野に入ると、イスラエルの人々の共同体全体はモーセとアロンに向かって不平を述べ立てた。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 出エジプト記 16章2節
愚かな不平さえ聞いてくださる主
大西 良嗣(宝塚教会)
荒れ野に入ると、イスラエルの人々の共同体全体はモーセとアロンに向かって不平を述べ立てた。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 出エジプト記 16章2節
大西 良嗣(宝塚教会)
2022年2月の聖書日課をまとめて表示します。
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エジプトから救い出されたイスラエルの人びとは、荒れ野での旅を続けていきます。その旅の中で繰り返されるのは、イスラエルの人びとの不平です。マラでは水が苦いと言い、シンの荒れ野では食べ物についての不平を述べ立てます。人びとは「エジプトの国で死んだ方がましだった」と、体験したばかりのすばらしい救いがなかったほうが良かったと言います。レフィディムに宿営すると飲み水がないことで不平を述べ始め、「なぜ、我々をエジプトから導き上ったのか」とモーセを批判します。
驚くべきことに、主は彼らの不平を聞き入れてくださいます。主が実現してくださった救いの尊さを否定する不平であるにもかかわらず、主はイスラエルの人びとの必要を満たしてくださいました。苦い水を甘く変え、天からのパンであるマナを降らせ、岩から湧き出る水を与えられました。
不平を述べるイスラエルの姿は、あまりにも恩知らずで、罪深く、愚かです。そんなイスラエルのためにマナを降らせる主は言われます。「あなたたちはこうして、わたしがあなたたちの神、主であることを知るようになる」(16章12節)。愚かな者をなおも憐れんでくださる主こそが、私たちの神なのです。
【祈り】
主よ、あなたのすばらしい御業を体験しても、すぐに不平を述べ立てる愚かな私たちを憐れんでください。