契約の箱 | サムエル記上 4章

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サムエル記上 4章

兵士たちが陣営に戻ると、イスラエルの長老たちは言った。「なぜ主は今日、我々がペリシテ軍によって打ち負かされるままにされたのか。主の契約の箱をシロから我々のもとに運んで来よう。そうすれば、主が我々のただ中に来て、敵の手から救ってくださるだろう。」日本聖書協会『聖書 新共同訳』 サムエル記上 4章3節

契約の箱

サムエルの誕生と成長の物語から離れ、ここからしばらくイスラエルとペリシテとの争いとそれに伴う出来事が描かれます。そのころは、イスラエルには王がなく、それぞれ自分の目に正しいとすることを行っていた時代でした(士師21章25節など)。

ペリシテの攻撃に頭を悩ませていたイスラエルは、シロの聖所にある契約の箱を戦場に運び出すことを思いつきます。それによって主が彼らを助け、ペリシテとの戦いに勝利できると考えたからです。しかし、結果は彼らの思い通りにはなりませんでした。戦いに敗れただけでなく、契約の箱自体も奪われてしまいます。

イスラエルにとって予想外の出来事は、実は必然のことでした。彼らは契約の箱を担ぎだす前に、その箱の中に何が納められているかについてよく考えるべきでした。それは十戒が記された2枚の石の板であり、そしてまさに十戒に背くことを当時のイスラエルは行っていたのです。主なる神は、みだりに主の名を唱える者を罰せずにはおかれません(出20章7節など)。

唐見 敏徳(忠海教会)