つまずきの中で知る主の恵み | マタイによる福音書 26章

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マタイによる福音書 26章

ペトロは、「鶏が鳴く前に、あなたは三度わたしを知らないと言うだろう」と言われたイエスの言葉を思い出した。そして外に出て、激しく泣いた。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 マタイによる福音書 26章75節

つまずきの中で知る主の恵み

主イエスはペトロに、「鶏が鳴く前に、あなたは三度わたしを知らないと言うだろう」と予告なさいました。これに対してペトロは、「たとえ、御一緒に死なねばならなくなっても、あなたのことを知らないなどとは決して申しません」と断言します。彼は、自分がどのような試練に遭っても、主に従い通すことができると思っていました。自分がつまずくなどあり得ないと、自信を持っていたのです。しかし、結果は正反対でした。主の予告どおり彼はつまずいてしまいます。

その時、ペトロは激しく泣きました。「呪いの言葉」さえ口にする自分に失望して。

しかし、主イエスは、つまずきを予告されると同時に、「わたしは復活した後、あなたがたより先にガリラヤへ行く」と約束されていました。

復活の主が、かつてペトロを弟子にしたガリラヤで、再び彼を迎え、伝道者として立たせてくださるのです。ペトロが激しく泣いたのは、自分の力に頼っていた彼の自信が、もろくも崩れ去った瞬間でしたが、同時にそれは、復活の主の御力によって立ち上がらせていただく、新しい出発の時でもあったのです。

金原 義信(豊明教会)