あさのことば

一冊の聖書

放送日
2004年1月19日
お話し
川杉 安美(綱島教会牧師)

川杉 安美(綱島教会牧師)

メッセージ: 一冊の聖書

 ごきげんいかがですか。綱島教会の川杉安美です。

 私の手元に古い1冊の新約聖書があります。文庫本の大きさですが、紙は黄ばみ、表紙もとれて他の紙が表紙がわりに糊付けされています。とれてしまった表紙の裏には、確か「卒園記念 川杉安美君」と書いてあったと思います。

 私が幼稚園を卒園するとき、記念として幼稚園からいただいたものです。当時私は、いつかこの聖書を自分で読もう、そう思いつつ家の本棚にしまっておきました。小学校の6年間、何回か読もうと試みましたが、難しくて挫折してしまいました。高校生になり、再び読んでみようかなという気になりましたが、もしかしたらまた挫折してしまうかもしれないと思いました。どうしたらいいだろうかと考えて、教会に行こうと決めました。教会に行ったら、聖書の内容を教えてくれるだろうと、聖書が分かるようになり、読めるようにもなるだろうと。高校1年のとき、初めて教会の礼拝に行ったときには、礼拝のときの聖書の話はまだあまりよく分かりませんでした。けれども、9ヶ月ほどして、洗礼を受けるまでになりました。その約10年後、牧師になるために、会社を辞めて神学校へ行きました。

 私の信仰の原点が、この一冊の聖書のような気もします。当時は、全くわけの分からなかった聖書の言葉の一つ一つが、今は一つ一つ光を放っているように見えます。いつも挫折をしてしまっていた最初のページ、「アブラハムの子であるダビデの子、イエス・キリストの系図。アブラハムはイサクの父であり、イサクはヤコブの父・・・」。今はそれも、生き生きとした神様のお働きを、豊かに表わすすばらしい言葉として読むことができました。やはり聖書は神様の言葉です。

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