あさのことば

遺伝子に聞いても

放送日
2010年3月11日(木)
お話し
今井 献(東京教会牧師)

今井 献(東京教会牧師)

メッセージ: 遺伝子に聞いても

 いかがお過ごしでしょうか。東京教会の今井献です。
 何のために宗教があるのか分からない、という方がおられるかもしれません。神の名を語って人を殺したり、戦争をはじめるということを見るにつけて、宗教とは何なのだろうかと思う方がおられるのではないでしょうか。

 人には知恵があり、困難な問題を解決してきました。医療の進歩により、結核で死ぬ人が非常に少なくなったことはその一つの例です。石油にかわる代替エネルギーを開発することへの取り組みも、人類に託された大切な課題であり、少しずつ前に進んでいくのだろうと思います。

 しかし、人の生と死の問題はどうでしょうか。生と死の問題とは、生きることの意味、死ぬことの意味を解決することであって、遺伝子のレベルまで解明して生命の神秘に迫るとか、認知症や介護など老化の問題を医学的、社会学的に解決するということではないと考えます。
 生まれたこと、今生きていることの意味は、この世界を観察し、遺伝子のレベルまで解明したとしてもわかりません。遺伝子のレベルでの解明とは、遺伝子というタンパク質の配列による説明です。それだけでよしとすれば、人の命、また人間自身も、ものの一部、世界の一部でしかないということになってしまいます。

 生と死という最も根本的な事実の意味は、この世を解明すれば解決できるわけではありません。世界の中にではなく、神に問うべきことです。神は、イエス・キリストにおいてこの世に生まれ、十字架において死の力を無力にし、復活によって永遠の命を私たちに与えてくださいました。生と死は神が与えるのであり、その意味は神のもとにあります。真の解決は、神の救いに秘められています。

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