リジョイス聖書日課

サムエル上31章 サウルの死無残な最期と憐れみの光

放送日
2025年12月31日(水)
お話し
坂井孝宏(湘南恩寵教会牧師)

12月31日(水) サムエル上31章

戦士たちは…サウルとその息子たちの遺体をベト・シャンの城壁から取り下ろし、…ヤベシュのぎょりゅうの木の下に葬り、七日間、断食した。
日本聖書協会『聖書 新共同訳』サムエル記上31章12-13節

 一年の最後に、なんとも辛い記事が与えられました。サウル王の無残な最期について記されています。すでに28章で告げられていたように、サウルとその息子たち、またイスラエルの軍隊はペリシテ人の手に渡され、蹂躙されます。サウルの遺体は徹底して辱められ、城壁にさらされます。これは偶然に起こったことではなく、預言者が語った神の掟を軽んじた罪の結果でありました。この出来事に示された神の裁きの御手を思う時、深い恐れに立ち止まらざるを得ない思いになります。自らのこの一年の歩みを省みたいと思います。

 まことに救いようがない結末で、サムエル記上は終わろうとしていますが、その最後の記事に注目しましょう。ヤベシュの戦士たちはサウルとその子らの遺体を取り下ろしたと報告しています。これは命がけの行動です。この背景には、11章に記されていた出来事があります。イスラエル全体から見放されていたようなヤベシュの人びとを、サウルが助けて、アンモン人の手から救いました。彼らはその恩義に応えるために、勇気を奮ってサウル王への忠誠を表したのです。若き日のサウルの純真がこうして思い起こされます。サウル自身が見失ってしまったものをも、神は覚えておられるのです。

 【祈り】

 この一年の歩みの中で、私たちが見失ってしまったものを取り戻してください。恵みの日々に感謝します。

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