12月27日(土) 詩編106編
主はなお、災いにある彼らを顧み
その叫びを聞き
彼らに対する契約を思い起こし
豊かな慈しみに従って思いなおし
…計らわれた。
日本聖書協会『聖書 新共同訳』詩編106編44-46節
出エジプトから士師時代までの神の民の歴史を回顧した詩人は、「諸国の中からわたしたちを集めてください」と祈り、捕囚と離散からの帰還を願います(47節)。主の民の歴史は、弱小民族の躓きと背きの歴史でした。繰り返される罪にもかかわらず、主は民の苦難を見るたび、アブラハムと交わした契約を想起し、憐れみと慈愛をもって民の命運を回復されました。
詩人はこの真実を「主は思いなおされた」と表現します。背きと罪によって滅び行くほかない民を、そのまま放置したとしても、主の自由です。神に不正はありません。しかし、そうはなさらず、民の罪に対する怒りと裁きを思い止まられました。神が心変わりされたからではありません。むしろ契約を「思い起こされた」からです。
詩人の黙想と祈祷を支えるのは、神のへりくだりです。理性的被造物である人間は、創造主に対して当然従順であるべきです。しかし、神と人間との隔たりは余りにも大きいので、私たちが自らの幸いまた報いとして神を喜びとするには、神の側での何らかの自発的なへりくだりが必要不可欠です。幸いなるかな、神はそれを契約という形に表わしてくださいました。
【祈り】
主よ、あなたはいつも御自身の契約を思い起こしてくださいます。心からの感謝をささげます。









