12月18日(木) サムエル上27章
ダビデはこの地方を討つと、男も女も生かしておかず、羊、牛、ろば、らくだ、衣類を奪っては、アキシュのもとに戻った。
日本聖書協会『聖書 新共同訳』サムエル記上27章9節
サウルの追跡から逃れるために、敵国ペリシテの領主アキシュの下に逃れたダビデの振舞いを記録するのが27章です。ここでのダビデはあまりにずる賢く、また残酷で、読んでいて躓きを覚えるほどです。9節の虐殺は罪深いもので、やがてお前は血を流し過ぎたと神から非難される一因です(代上22章8節)。
生き延びるためには罪を犯すことも辞さないダビデの姿勢は、神の御前を歩む神の民の模範として受け取るわけにはいきません。しかし、このダビデに限らず、聖書が記すありのままの「イスラエル」の姿は、このようにして罪にまみれ、ずる賢さに満ちています。
互いに騙し騙されつつ競い合う病んだ世界の中で、なり振り構わず神の祝福にしがみつく泥臭い人間の生き方が、そこには映し出されているとも言えます。神はそういう人間のありようを、いつでも目を逸らすことなく凝視しておられます。
私たちも、地上においてはこのように罪にまみれた歩みを強いられることもあるかもしれません。互いに血を流す現実から逃れられない、罪深い世界で生きていることを痛感します。でも、だからこそ、神に救いを求めます。キリストの赦しときよめを願いましょう。
【祈り】
主よ、我が罪を洗って雪より白くしてください。嘘偽りに満ち、人を殺し奪おうとするこの汚れた心を…。









