
杉山昌樹(上福岡教会牧師)
メッセージ:心配無用
いかがお過ごしですか。上福岡教会の杉山です。
イエスは多くの人たちに、たとえ話を語られました。その中に、「成長する種」の話があります。そのたとえ話を語る時に、イエスは、「神の国は次のようなものである」(マルコ4:26)と言いました。このたとえ話は「神の国」についての話だ、というのです。
では、「神の国」とはいったい何でしょうか。それは、特定の国…日本、韓国、アメリカ、中国というような、人の造った国のことではありません。むしろあえて言いますと、「神のご支配」となります。
しかし、私たちは今、「神が私たちを支配している」ということを、目ではっきりと見ることができません。ですから、神のご支配、と言われても、あまりピンときません。むしろ、神の支配があるのなら、何でこんなに戦争や暴力があるのだろう、そのように思ってしまうかもしれません。
しかし、そうであるからこそ、イエスは言います。「人が土に種を蒔いて、夜昼、寝起きしているうちに、種は芽を出して成長するが、どうしてそうなるのか、その人は知らない。土はひとりでに実を結ばせる」(マルコ4:26-28)。植物が気が付いたら成長していて驚く、ということがあります。その成長は「ひとりでに」行われる、と言います。
そのように、神の国、神のご支配も、私たちの目に見えませんが、しかし、気が付いたらひとりでに、この世界の中で増え広がっていく、というのです。そして確かに、私たちの社会のあり方は、様々な経験を通して、本当に少しずつですが、より暴力に敏感に、より環境に配慮するように、気が付いたらなっている、のではないでしょうか。









