小出昌司(高知教会牧師)
メッセージ:聖霊降臨
【高知放送】
【南海放送】
おはようございます。高知市上町4丁目にある改革派高知教会牧師の小出昌司です。
どなたの人生にも記念日があるように、教会にも記念日があります。教会は、主イエスが誕生された「クリスマス」、十字架に死なれてから三日目にお墓の中から復活された「イースター」、そして、弟子たちに神の霊である聖霊が降された「ペンテコステ」を三大記念日としています。
数字の「50」を表わす「ペンテコステ」という言葉は、聖霊降臨が復活の出来事から50日目に起こったこと示しています。教会の今年の暦では、今日が、聖霊降臨を記念する「ペンテコステ」ですから、今朝は、弟子たちに初めて聖霊が降された出来事についてお話しさせていただきます。
主イエス・キリストは、十字架に架けられる前の夜、ご自分がお選びになった12人の弟子たちと一緒に、「最後の晩餐」をお取りになりましたが、その場で、地上に残していく弟子たちのために、「別の助け手」として聖霊を送ることを約束されました(ヨハネ14:15-17参照)。復活の出来事から40日経って、キリストを天に送ったあと、孤独感と空虚感と恐れの中にあった弟子たちは、主イエスとの思い出深い家の広間に集まって、主イエスが約束された「別の助け手」を祈りながら待っていたのです。
聖書の記事に従ってお話ししますと、その時、突然、激しい風が吹いて来るような音が天から聞こえてきて、弟子たちが座っていた家中に響いたのです。そして、炎のような舌が分かれ分かれに現れて、一人一人の上にとどまったのです。すると、一同は聖霊に満たされて、聖霊が語らせるままに、他の国々の言葉で話しだしたのです(使徒2:1-4参照)。
画家のエル・グレコは、この記事を縦長のカンバスに描き出していますから、パソコンやスマホで「エル・グレコ 聖臨降臨」と検索すると、画像を見ることができます。グレコは、上に聖霊の象徴とされる鳩を置き、真ん中に聖霊を受けた弟子たちを表わし、下に、聖霊によって習ったこともない何ヶ国もの外国語で、キリストの復活について説教する弟子たちを見て、驚き怪しむ人々を描いています。
このようなことは、この日限りで終わっていますから、聖霊を受けたからといって、外国語に強くなるということはありませんが、あの弱々しかった弟子たち…自分たちにも危害が加えられることを恐れて逃げ出していた弟子たちが、一つに集められて、世界に向かって多言語でキリストを伝えている出来事は、聖霊による業であることを抜きにして、説明することはできないのです。
しかし、聖霊を受けた弟子たちから始まって、神の救いの御計画が、世界の各地に、その国の言葉で伝えられたことによって、同じアジアの西の端に起こったキリスト教が、東の端の日本にまでも伝えられているのですから、聖霊の業は、今も進展しているのです。
聖霊は、私たちに「教会に行ってみたい」という思いを起こさせますし、読んでいる聖書の言葉が、自分の救いにとって必要な言葉であることを分からせてくれますし、なによりも、今は天におられるキリストに代わって、私たちと共にいて下さって、私たちの弱さを負ってくださり、私たちの犯した罪を、神さまに弁護し続けていて下さるのです。
あなたに聖霊が降されるのも、ある日突然のことですし、聖霊が降されれば、必ず何かしらの良い変化が与えられますから、その時に驚き怪しむことがないように、いつ聖霊が降されても良いように、心の周波数を神さまの周波数に合わせて、「聖霊を与えてください」と祈りながら、あなたの上に聖霊が降される時を待っていれば良いのです。
聖霊は、私たちが日常の生活を送っている場でも与えられますが、最も豊かに注がれるのは教会の礼拝の場ですから、ペンテコステの今朝、教会に行ってみてはいかがでしょうか。
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