ウエストミンスター小教理問答の学び 第22問

第22問 キリストの受肉

問: キリストは、神の御子でありつつ、どのようにして人になられたのですか。

答: 神の御子キリストが人になられたのは、聖霊の御力によって処女マリヤの胎に宿り・彼女から生まれながらも・罪はないという仕方で、真実の体と理性的霊魂をおとりになることによってでした。


 キリストの二性一人格(真の神、真の人、一つの人格)の教え(問21)に続く問22は神の御子キリストが人となられた仕方です。

真の人間


 キリストは真の人間となられました。
(1) キリストは仮の姿に人の体を用いたのではなく、「真実の体」を持っておられました。

(2) キリストは、魂は神であり、肉体だけ人間であったのでもなく、人間の魂(理性的霊魂)を持っておられました。

罪のない人間


 真の人間でありながら、キリストは罪のない方としてお生まれになりました。
(1) 堕落以来、アダムから出た全人類は生まれながらの罪人ですが、キリストは罪のない新しい人間(第二のアダム)となられ、真の人間性(神の形である人間の素晴らしさ)の回復をもたらす方となられました。

(2) また、十字架に掛かって人々の罪を負うためにも、キリストは罪のない方でなければなりませんでした。

聖霊による誕生

(1) キリストが罪のない人間として生まれられたのは、聖霊のお働きによりました。聖霊は、キリストが人となられる時に、キリストの人間性を罪から完全に守られました。

(2) 処女受胎は、聖霊による誕生を指し示す奇跡です。キリストのきよさは、処女から生まれたからではなく、聖霊により生まれたからです。処女受胎は聖霊による誕生を示すために神がなさった奇跡です。
 「処女受胎など信じられない」という人がいますが、もっと驚くべきことは、全く罪のない人間の誕生です。私たちが救われるために必要なこの出来事が本当に起こったことを信じることができるように、神は、処女受胎という奇跡を起こされたのです。

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