ウエストミンスター小教理問答の学び 第92問

第92問 礼典の定義

問: 礼典とは、何ですか。

答: 礼典とは、キリストが制定されたきよい規定です。そこでは、キリストと新しい契約の祝福とが、感覚的なしるしによって信者たちに示され、証印され、当てはめられるのです。


 罪のための神からの罰を免れるためには、イエス・キリストへの信仰と、命に至る悔い改めが必要です(問85)。その信仰と悔い改めを起こすために、神は御言葉・礼典(洗礼式と聖餐式)・祈りを備えて下さいました(問88)。問92は、その内の礼典についての定義です。

礼典の特徴


 教会では、転入式、牧師・役員就職式、結婚式、葬式等々が行なわれますが、礼典ではありません。礼典には次の特徴があります。
(1) キリストの制定による: 洗礼式は復活のキリストが(マタイ28:19)、聖餐式は十字架前夜のキリストが(マタイ26:26-29等)制定されました。この点で他の式典と異なります。

(2) キリストと新しい契約の祝福とを差し出す: 礼典はキリストを差し出し、私たちをキリストに結びます。また、キリストの救いの祝福(新しい契約の祝福=罪の赦し、神の子とされること、聖化など)を差し出します。

(3) 感覚的なしるしによること: 洗礼式の水(罪の洗いきよめの象徴)やパンと葡萄酒(十字架のキリストの体と血の象徴)は、キリストとその救いの祝福を五感に刻み込みます。

恵みが差し出される道筋

(1) 示される: 水の洗いやパンと葡萄酒は、罪の除去や十字架の恵みを象徴します。魂の目の弱い私たちのために、礼典により五感に感じる仕方で神の恵みが示されます。

(2) 証印される: 証印とは、神様が署名捺印して下さることです。信仰の揺らぎやすい私たちのために、礼典により、五感に感じる仕方で、救いの恵みの確かさが確約されます。

(3) 当てはめる: 礼典の時は神様の確約の時であるにとどまらず、その時、現実に、神様が救いの恵みを与えて下さる時です。礼典により、五感に感じる仕方で、救いの恵みは実際に私たちに届きます。礼典を受けているその時に、実際に私たちは罪のゆるしの恵みを受け、魂は新しくされ、きよめられ続けるのです。
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