ウエストミンスター小教理問答の学び 第93問

第93問 新約の礼典

問: 新約の礼典は、どれですか。

答: 新約の礼典は、洗礼と主の晩餐です。


 私たちに信仰と悔い改めが与えられるために神様は礼典を定めて下さいました。問93は、礼典とは具体的に何かを教えます。

新約の礼典


 礼典は、キリストの制定による式典で、救いの恵みを、感覚的なしるしによって示し、証印し、当てはめるものです(問92)。
 旧約時代には、神が定められた割礼(入会儀礼)や過越祭(救いの記念)や、諸種の犠牲等が、救いの恵みを示し、証印し、当てはめる礼典的式典でした。
 新約時代には、旧約の式典は廃され、二つの礼典がキリストによって制定されました。
(1) 洗礼式: これは復活のキリストが弟子たちに命じられた式典です(マタイ28:19)。

(2) 聖餐式: これは最後の晩餐の時にキリストが命じられた式典です(マタイ26:26〜29等)。

礼典とは区別される式典

(1) カトリック教会は、洗礼式と聖餐式以外の五つをも礼典(サクラメント)としてきました。
A. 堅信礼(信仰告白式)、
B. 告解(懺悔と罪の赦し)、
C. 病者の塗油(病床での神の恵みの伝達)、
D. 婚姻、
E. 叙階(教会役員任職式) です。
(2) これらの式典が表わそうとしている神の恵みは、私たちにも大切なものです。ですから、私たちの教会も、信仰告白式、結婚式、教会役員任職式を行ないます。また、牧師や兄弟姉妹に自分の罪を言い表して罪の赦しの確信に導いて貰うことや、牧師や信徒仲間による病床での祈りも重んじられるべきです(ヤコブの手紙5:14〜15参照)。

(3) けれども、これらの式典が洗礼式・聖餐式と並ぶ礼典とされ、神の特別の恵みが式典と密着して神秘的な仕方で与えられるとするのは誤りです。
A. それは聖書の教えを逸脱しています。

B. それは礼典の定義(問92)に合いません。

C. それは無用の式典主義・形式主義に流れる危険があり、主がなさっておられない仕方で人間の良心を縛る危険があります。
(4) 洗礼と聖餐はそれらとは異質の、神の恵みが特別の仕方で与えられる式典なのです。
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