ウエストミンスター小教理問答の学び 第12問

第12問 命の契約

問: 神は、創造された状態の人に、どのような特別の摂理の行為をとられましたか。

答: 人を創造された時、神は人に、完全な服従を条件として命を契約されました。しかし、善悪を知る木の実を食べることは、死を制裁として禁じられました。


 今回の問12から、人間が救いを必要とする存在であることを学びます。問12〜15は人間の堕落の経緯、問16〜19は現在の人間の状態(罪と悲惨)です。
 問12は、人間が最初に破った神との約束(契約)についてです。

命の契約


 この契約は「命の契約」と呼ばれます。
(1) 「契約」とは、互いが義務を負い合う関係です。神様は、本来は人に対して何の義務も持っておられませんが、人との愛の交わりを望まれ、人と約束しあう関係(契約関係)に入ってくださいました。

(2) 「命の契約」で神様が人に約束されたことは次の通りです。
A. 人の義務: 神に完全に従うこと。それは善悪を知る木の実を食べないことで表わされました。(なぜ「善悪を知る木の実」と言われるかは不確かですが、知能促進効果のある実ではなく、契約遵守の試金石として、神に従うことが善であり背くことが悪であることを表わす木だったのでしょう。)

B. 神の義務(約束): 人に永遠の命を与えること。

C. 罰則: 死が違反への罰でした。

人の心に刻まれた神との契約


 現実の世の中では善人が苦しみ悪人が繁栄することは珍しくありません。それでも人の心には、善を行う者(=神に従う者)が幸福になり、悪を行う者(=神に背く者)は不幸になるはずであるという感覚が深く刻まれています。
 それは、約束された神様が、最初の時から人間の心に刻まれた感覚だからです。

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