ウエストミンスター小教理問答の学び 第11問

第11問 神の摂理の御業

問: 神の摂理の御業とは、何ですか。

答: 神の摂理の御業とは、神が、最もきよく、賢く、力強く、すべての被造物とそのあらゆる動きを保ち、治めておられることです。


 神は、創造と摂理によって、世界と人間についてのご計画(聖定)を実現されます(問8)。問11は摂理についてです。

摂理とは

(1) 摂理とは神のお導きのことです。神はすべてを導いて、やがて世界の歴史が完成するとき「万事が益であった」と信仰者が告白できるようにしておられます。

(2) 摂理は「保持」と「統治」にわかれます。
A. 保持: 世界も私たちも無から造られました。私たちは、神の絶えざる支えがなければ無に帰す存在であり、神の御手に依存している者たちなのです。

B. 統治: 神は世界に起こるすべての出来事を支配し、導いておられます。幸福も試練も、父なる神の元から来るのです。
 この教えには、聖定(問7)と同類の疑問を投げられることがあります。疑問への答えは問7解説をご覧下さい。

摂理に現れる神の栄光

(1) 世界を統治する独裁者が出現すれば、その統治には彼の醜さが現われ、世界は地獄と化すでしょう。反対に、神が世界を統治される時、神の素晴らしいご性質がその統治に現われます。
 神の導きは不正がなく(最もきよく)、最善であり(最も賢く)、失敗や挫折や不十分さがないのです(最も力強く)。

(2) 現実の出来事には、「神の導きは不正ではないか」、「神の導きは愚かではないか」、「神は無力ではないか」との疑問や不安を引き起こす出来事もあります。
 しかし、私たちは、現実を分析してではなく、神を信頼して、「神の導きは最もきよく賢く力強い」と告白します。やがて、神の導きが完成する世の終りに、私たちは、「神の素晴らしい御手の中で、万事は善であった」と納得できるのです。

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