ウエストミンスター小教理問答の学び 第13問

第13問 アダムの堕落

問: 私たちの最初の先祖たちは、創造された状態で続きましたか。

答: 自分の意志の自由に任されていた私たちの最初の先祖たちは、神に罪を犯すことによって、創造された状態から堕落しました。


堕落と希望


 人間には現実に罪と悲惨(戦争、犯罪、各自の悪い思い等)があります。堕落の教えは、私たちがこの現実をどのように受け止めるべきかを教えています。
 罪と悲惨は、人間の宿命でも本性でもありません。人は本来素晴らしい存在(神のかたち)でしたが、そこから「堕落した」のです。罪と悲惨の現状をやむなきことと諦めず、回復さるべき堕落状態と考えることから、聖書的な希望や戦いは生まれます。
 小教理問答が堕落を教えるのは、人を本来の素晴らしい存在に回復して下さるキリストの救いを差し出すためなのです。

堕落の責任


 堕落の責任は人にあります。人間は、「自分の意志の自由に任されていた」時に、自分の責任と決心で堕落したのです。
 自由意志は、神と人との人格的交わりに不可欠なものです。神は人を機械仕掛けの人形としてではなく、自分の決心で神に従い、神を愛することのできる者としてお造りになりました。この自由意志により、人は堕落したのです。

罪を犯した相手


 「神に罪を犯すことによって」との言葉は、堕落の罪の本質を教えています。
 罪は人を傷つけもしますし、人からの赦しが必要な場合もあります。しかし、罪の本質は、人に対して申し訳ないことをしたということ以上に、神に対してのものです。罪を犯した時、人から赦されてもなお自責の念を感じるのはそのためです。最初の罪(堕落の罪)もそうでした。
 従って、罪と悲惨からの救いは、神からの恵みによる赦しなしには不可能です。

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