8月28日(木) ローマ8章
つまり、被造物も、いつか滅びへの隷属から解放されて、神の子供たちの栄光に輝く自由にあずかれるからです。
日本聖書協会『聖書 新共同訳』ローマの信徒への手紙8章21節
パウロは8章で被造世界の苦しみの問題を取り上げます。彼は20節で「被造物は虚無に服しています」と述べています。私たちが生きている世界には、本当にいろいろな問題があります。戦争があり、暴力の連鎖があり、憎しみがあり、人間疎外があります。富んだ国があり、飢餓に瀕している国があります。環境問題があり、疫病の問題があります。パウロはその世界の問題を「虚無」という言葉で言い表しました。虚無とは、むなしさということです。目的がないということです。存在が本来の意味を失っているのです。
神が創造された世界は良き世界でした。まさに虚無と対極にあるような世界でした。しかし、人間が堕落したときから、「土は呪われるもの」となりました。人間の堕落の結果は被造世界全体に及びました。
イエス・キリストの福音は、その被造世界をも救うものです。十字架の血は万物を神と和解させるものです(コロ1章20節)。被造物は今、「共にうめき、共に産みの苦しみを味わってい」ます(ロマ8章22節)。しかし、救いの完成の時には、「被造物も、いつか滅びへの隷属から解放されて、神の子供たちの栄光に輝く自由にあずかれる」のです。世界の希望はただキリストにあります。
【祈り】
主よ、十字架の血は万物の和解をもたらしてくださいました。私たちは、その救いの完成を待ち望みます。