8月3日(日) ルカ12章13-21節
「どんな貪欲にも注意を払い、用心しなさい。有り余るほど物を持っていても、人の命は財産によってどうすることもできないからである。」
日本聖書協会『聖書 新共同訳』ルカによる福音書12章15節
ある人が、「わたしにも遺産を分けてくれるように兄弟に言ってください」と主イエスにお願いしたことが発端です。遺産に全く関心がない人は、ほとんどいないでしょう。しかし、仲が良かった兄弟関係が遺産の分与を巡って壊れてしまう事例は、残念ながら少なくありません。なぜなら、私たちの内には貪欲な思いが潜んでいるからです。
「貪欲」とは、何かに執着することです。問題は、人の執着心は底なしであるというところにあります。満足することなく、何かがまだ足りないと感じるとき、私たちの心は、物質的にいくら豊かになっても貧しいままです。ただ、金銭に対する執着心の裏には、常に将来への不安が見え隠れします。金銭への執着は、貪欲な思いだけではなく、私たちの将来に対する不安を映す鏡でもあります。
ですから、主イエスは、物質的な豊かさではなく、神の前に豊かになるようにと招いてくださいます。信仰による救いと永遠の命は、決して失われることのない財産です。神が約束しておられるこの永遠の財産に目を向けるとき、私たちは将来の不安から自由にされ、金銭への執着や貪欲からも解き放たれます。私たちは、こうして、本当の意味で豊かな人生を生きることができるのです。
【祈り】
この世の財産に奪われがちな私たちの目を、あなたの約束される永遠の財産へと向けさせてください。