リジョイス聖書日課

ルツ4章 嘆きを喜びに変えられる主の御業

放送日
2025年7月2日(火)
お話し
唐見敏徳(忠海教会牧師)

7月1日(火) ルツ4章

ボアズはこうしてルツをめとったので、ルツはボアズの妻となり、ボアズは彼女のところに入った。主が身ごもらせたので、ルツは男の子を産んだ。

日本聖書協会『聖書 新共同訳』ルツ記4章13節

ルツ記において主なる神の直接的な働きが記されている個所は、実は二つしかありません。ひとつは1章6節「主がその民を顧み、食べ物をお与えになった」で、もうひとつは、きょうの個所です。しかし、直接の言及がなくても、通奏低音のように流れる神の愛の摂理の御業を、全体を通して感じとることができます。

ルツ記は、嘆きから喜びへの物語です。その始まりで、ナオミは夫と息子たちを失い、「ナオミ(快い)などと呼ばないで、マラ(苦い)と呼んでください」と、深い悲しみに沈んでいました。しかし、終わりでは「七人の息子にもまさる」嫁のルツに加えて、家を絶やさぬ責任を誠実に果たすボアズ、そしてダビデ王の祖父となる後継ぎの男の子が与えられ、喜びにあふれています。飢饉や家族の死といった人生の試練をも用いてなされる、主の偉大な御業を見ることができます。

ルツ記を締めくくるダビデ王の系図は、イエス・キリストの系図へと続きます。主の会衆に加わることがゆるされないはずのモアブ人の女性が受け入れられました(申23章4節、マタ1章5節)。私たちも、主の恵みと憐れみにより、イエスを救い主と信じる信仰を通して主の交わりに入れられ、主の恵みを受け継ぐ者とされたのです。

【祈り】

全能者なる主よ、嘆きを喜びに変えてくださるあなたの愛の御手の中で生かされていることに感謝します。