6月26日(木) ルツ1章
士師が世を治めていたころ、飢饉が国を襲ったので、ある人が妻と二人の息子を連れて、ユダのベツレヘムからモアブの野に移り住んだ。
日本聖書協会『聖書 新共同訳』ルツ記1章1節
冒頭の「士師が世を治めていたころ」は、控えめに言っても不安定な時代でした。それは「イスラエルには王がなく、それぞれ自分の目に正しいとすることを行っていた」ときで(士21章25節)、イスラエルは国内外にさまざまな問題を抱えていました。
そのような中、ある一家に試練が襲いかかります。飢饉のために異国モアブに移り住むのですが、そこで妻であり母であるナオミは、夫エリメレクと二人の息子マフロンとキルヨンを相次いで失います。結局、ナオミは失意のうちに嫁のルツと故郷のベツレヘムに戻ります。
しかし、主は真実なお方です。耐えられない試練を与えることはなさらず、かえって万事を益としてくださいます。主を信じ従う人に対し、嘆きと悲しみの先に希望と喜びを準備しておられます。
士師記とサムエル記の間に位置するルツ記は、やがて登場するイスラエルの偉大な王ダビデの物語のプロローグです。そして、それはさらに時代が下り、主イエス・キリストの誕生につながっていきます。
主は、ナオミとルツにとって、まったく予想していなかったやり方で、偉大な恵みのわざを示されました。それは三千年の時を経て今を生きる私たちにとっても同じです。
【祈り】
主なる神よ、人生の試練のとき、悲しみや痛みを乗り越え、その先にある恵みを信仰の目で見させてください。