あさのことば

非難の中の福音 6.裁き主、救い主

放送日
2022年10月7日(金)
お話し
野島邦夫(東京教会牧師)

野島邦夫(東京教会牧師)

メッセージ: 非難の中の福音 6.裁き主、救い主

 いかがお過ごしでしょうか。東京教会牧師の野島邦夫です。
 イエス様と聞けば、私たちはすぐ、「愛と優しさ」という言葉を思い浮かべます。この方が、時に、厳しい非難の言葉を口にされます。マタイによる福音書第23章が代表箇所です。今回のシリーズでは、この章から幾つかの言葉を選んで、イエス様の非難の意図を学んで来ました。

 人は、自分は自分で支える「自己肯定」という思いを強く持っています。社会生活では、それは自信となりますから大切です。しかし、キリスト教で問題にする神との関係では、これは危険です。神の支えなくては、人は一瞬も存在できませんから。神に謙虚になれない、神に自分の心をさらけ出せない。神とキリストを教える唯一の書・聖書を読むしかありません。

 ところが、聖書の専門家である律法学者たちとファリサイ派の人々は、謙虚になれませんでした。「誰でも高ぶる者は低くされ、へりくだる者は高められる」とイエス様は言われます。12節。聖書を持っているだけ一層強く高ぶる。これが、人の心の恐ろしいところです。

 では、どうすればよいのか。イエス様は、救い主であると共に、裁き主であるということを覚えましょう。その厳しい非難は、彼らの態度で最も顕著になった「罪・高慢」への裁きです。非難は、気付かせるためです。誰でもこの罪の裁きに打ちのめされる時、イエス・キリストの十字架の救いが目に見えて、喜びが心に溢れるでしょう。

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