リジョイス聖書日課

サムエル下14章 赦すことの難しさ

聖書日課
2021年1月26日(火)

サムエル下14章 赦すことの難しさ

  

わたしたちは皆、死ぬべきもの、地に流されれば、再び集めることのできない水のようなものでございます。神は、追放された者が神からも追放されたままになることをお望みになりません。そうならないように取り計らってくださいます。(サムエル下14:14)

 アムノンを暗殺したアブサロムは、母方の祖父、ゲシュル王の元に亡命します。新共同訳聖書は、「王の心がアブサロムに向かっている」と、ダビデがアムノンの死に折り合いをつけたように記します。しかし、この言葉は、「敵意をいだく」とも訳せる言葉です。ダビデは深くアムノンを愛するがゆえにアブサロムを赦し難く、同時に深くアブサロムを愛するがゆえに、何もできずにいるのです。

 そこで、ダビデの思いを知るヨアブが手を回します。ダビデはヨアブの企てを受け入れ、アブサロムを呼び戻します。しかし、エルサレムに戻ったアブサロムは、2年間王への謁見が許されません。味方と思ったヨアブまでもアブサロムを無視します。

 アブサロムは強硬な手段を用いてヨアブを呼び出し、父王との謁見を果たします。しかし、なおわだかまりは解消しません。本当の赦しは、このわだかまりを越えて初めて実現します。ダビデとアブサロムはこのわだかまりを乗り越えることができませんでした。そのことはさらなる悲劇を招きます。本当の赦しは人の力ではなく神に委ねることで初めて得られるのです。

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