鈴木牧雄(湘南恩寵教会牧師)
メッセージ: 見捨てられる
いかがお過ごしでしょうか。湘南恩寵教会の鈴木牧雄です。
今日も最初に、聖書の言葉に耳を傾けたいと思います。
マタイによる福音書27章45節からです。
「昼の十二時に、全地は暗くなり、それが三時まで続いた。三時ごろ、イエスは大声で叫ばれた。『エリ、エリ、レマ、サバクタニ。』これは、『わが神、わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか』という意味である。」
今生きている中で、最もつらい苦しみは、何でしょうか。
十字架は、極悪人をすぐには死なせず、晒し者にしながら最後まで苦しみ抜かせる残忍な処刑方でした。イエス・キリストは、この十字架刑に処せられました。その肉体的な苦痛は想像を絶するものであったはずです。
しかし、十字架にかけられたキリストの本当の苦しみは、もっと別なところにありました。それは、身代わりの死を背負ったはずの人々からあざけられ、それどころか天の父なる神の怒りを一身に受けて見捨てられたことでした。
見捨てられる。これほど恐ろしいことはありません。生きる意味も希望も完全に失われてしまいます。この、人からも神からも見捨てられるという絶望的な苦しみを、私たちに代わってすべて負ってくださったのが、キリストの十字架だったのです。
そして、だからこそキリストは私たちの真の救い主なのです。このお方だけは、生きる意味も希望も分らなくなっているような人をも決して見捨てることなく、代わりにその苦しみを背負って共に歩んでくださるからです。
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