主の民にとって権威ある王 | サムエル記下 23章

RCJメディアミニストリー「ふくいんのなみ」のトップページへ戻る

サムエル記下 23章

エルアザルはペリシテ人に向かって立ち、手が疲れ、手が剣にはり付いて離れなくなるまで彼らを討った。主はその日、大勝利をもたらされ、彼の後に戻って来た兵士には略奪することのみが残った。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 サムエル記下 23章10節

主の民にとって権威ある王

アッシリア帝国やバビロン帝国の王について記した碑文は、各地への遠征で勝利をおさめた王の活躍を記録することで王の権威を高めます。

ところが、23章のリストは、ダビデの軍事的な勝利が多くの勇士たちによって支えられていたことを明らかにします。また勇士たちの活躍を通して大勝利をもたらされたのは主であることをはっきりと記します(10、12節)。勇士のリストの最後には「ヘト人ウリヤ」の名前が記され(39節)、ダビデがその妻バト・シェバを妊娠させ、彼を戦死させるように指示した罪を思い起こさせます。ダビデ王の実態を聖書は明らかにしますが、それでも彼はイスラエル史上最も敬われる王です。なぜでしょうか。

ダビデは、ある戦場で、ベツレヘムの井戸の水を欲します。それを聞いて、3人の勇士がペリシテ軍の陣を突破し、その井戸の水を持ち帰りました。「これは命をかけて行った者たちの血そのものです」と言ってダビデはその水を飲もうとせず、主にささげます。欠けがありつつも、悔い改め、主の前に生きる王こそが主の民に権威ある者なのです。

大西 良嗣(宝塚教会)