平和を望む忠実な者の知恵 | サムエル記下 20章

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サムエル記下 20章

わたしはイスラエルの中で平和を望む忠実な者の一人です。あなたはイスラエルの母なる町を滅ぼそうとしておられます。何故、あなたは主の嗣業を呑み尽くそうとなさるのですか。」日本聖書協会『聖書 新共同訳』 サムエル記下 20章19節

平和を望む忠実な者の知恵

アブサロムによる反乱が収束し、ダビデと家臣たちはヨルダン川を渡ってエルサレムに戻ろうとしています。まもなく一件落着というところで、ビクリの息子シェバが反乱を起こします。危機が収束しそうでなかなか収束しません。

ダビデ王は軍事力によって直ちに鎮圧しようとします。アブサロム側で司令官だったアマサを、ダビデも司令官に任用しましたが(19章14、15節)、アマサは王の命令どおりに行動しません。さらに、もともと司令官であったヨアブがアマサを殺すという事件まで起こります。

このような問題をはらんだ軍隊が、イスラエル北部の町に入ったシェバを包囲します。ヨアブは城壁を崩して、この町に攻め入ろうとしますが、果たして、それで危機は収束するのでしょうか。国内の混乱や対立が、かえって激しくならないでしょうか。

ここで重要な役割を果たすのが知恵ある女性です。彼女は「平和を望む忠実な者」としてヨアブに語りかけ、町を破壊させることなく平和を実現します。軍事的な力ではなく、平和を望む知恵によって、危機は収束したのです。

大西 良嗣(宝塚教会)