ほかに道はない | サムエル記上 27章

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サムエル記上 27章

ダビデは心に思った。「このままではいつかサウルの手にかかるにちがいない。ペリシテの地に逃れるほかはない。そうすればサウルは、イスラエル全域でわたしを捜すことを断念するだろう。こうしてわたしは彼の手から逃れることができる。」日本聖書協会『聖書 新共同訳』 サムエル記上 27章1節

ほかに道はない

「ペリシテの地に逃れるほかはない」。ここには、追い詰められた者の苦しみがあります。目の前の道はすべて暗く、どれも選びたくないのに決断を迫られ、「ほかに道はない」と言って苦渋の決断をすることが、私たちの場合にもあるのではないでしょうか。

ダビデがペリシテの地に逃げるという結論に至った理由は、いくつか考えられます。(1)油注がれた王を殺すことは許されない、(2)自分に与えられている神の御計画を思い、生きなければならない、(3)主に油注がれた者が激突して両方が倒れることより、しばし離れる方が良い。ダビデは、自分にとって良い道よりも、神にとって良いと思われる道、すなわち御心の道を祈り求めたことでしょう。その結果、彼は苦しい選択に追い詰められつつも、サウルに追い討ちをあきらめさせる目的は達成されました。

「神は真実な方です。あなたがたを耐えられないような試練に遭わせることはなさらず、試練と共に、それに耐えられるよう、逃れる道をも備えていてくださいます」(1コリ10章13節)。逃れる道を示してくださる主に信頼して歩みましょう。

小澤 寿輔(ウェストミンスター日本人教会)