万人祭司の教会 | ペトロの手紙一 2章1-10節

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ペトロの手紙一 2章1-10節

しかし、あなたがたは、選ばれた民、王の系統を引く祭司、聖なる国民、神のものとなった民です。それは、あなたがたを暗闇の中から驚くべき光の中へと招き入れてくださった方の力ある業を、あなたがたが広く伝えるためなのです。日本聖書協会『聖書 新共同訳』 ペトロの手紙一 2章9節

万人祭司の教会

宗教改革は、本質的に教会改革でした。ルターが最初期の書物、たとえば『キリスト者の自由』において強調しているのは信仰における神の御前での「身分の平等」です。

中世においては「聖なる教会」と「汚れた世俗」の差は根本的なものとみなされました。しかし、ルターは腐敗したローマ教会の聖職者位階制度に対する激しい批判を込めて、いわゆる聖職者と世俗の人との間には一切の身分上の差別は存在しないと主張しました。聖書によれば、われわれはみな一つの洗礼、一つの福音、一つの信仰を持つ同じキリスト者であり、すべての者が聖別された「祭司」として神に仕える存在とされています。ルターは、「みなが教皇なのだ」とさえ言いました。これを「万人祭司の原理」と言います。

教会は一部の聖職者のものではなく、みんなのものです。互いに罪を告白し、執り成し合い、キリストの赦しを語り合う「聖徒の交わり」であり、神の家族、神の民です。それぞれ委ねられる働きには違いがあっても、そこにお客さんは一人もいません。それぞれが神から与えられている務めと賜物があるのです。

坂井 孝宏(湘南恩寵教会)