中山仰(田無教会牧師)
メッセージ: 真の友情について
おはようございます。田無教会牧師の中山仰です。
今日は、真の友情について考えたいと思います。『泣いた赤おに』の話はご存知でしょうか。人間と仲良くなりたいと思う赤おにに友達の青おには、「自分が村で悪さをするからそこに来て私を殴りなさい。そうすれば村人は君のことを良いおにだと思って、付き合ってくれるだろう。」というのです。
そのかいがあって、赤おには村人から信頼されて仲良く暮らしますが、青おにはとんと赤おにには近づかなくなります。不安を抱えて青おにを訪ねた赤おには、そこにある貼り紙を見て唖然とします。そこには自分が君に近づくと疑われるだろうから僕はどこかへ去るとあります。どこまでも君の友達、青おにと結ばれていました。
これは美談ですが、本当の友情とはそのようなものでしょうか。聖書にはダビデと前の王サウルの息子ヨナタンとの美しい友情が描かれています。サウル王は神の前に大きな罪を犯したため見捨てられます。後釜のダビデは命を狙われ、逃亡しなければなりません。
サウル王は息子ヨナタンに、お前は王子で王位を継ぐべきなのにどうしてダビデを匿うのかと問い詰めます。ヨナタンがダビデは何の悪いこともをしていませんというと、ヨナタンに槍を投げつけて怒りを向けます。ヨナタンは命がけで、最後までダビデをかばい、彼の味方になります。これこそ真の友情ではないでしょうか。聖書には「友のために自分の命を捨てること、これ以上に大きな愛はない。」(ヨハネ15:13)とあります。